首里買いました

プロジェクトマネージャーの松本です。
新しい事業をするにあたり、京都以外の取掛かりを全国いろいろと調べ沖縄の那覇にたどりつきました。
那覇市首里で、沖縄の文化を感じる築古のコンクリート造物件を購入しました。
この決断は、単なる不動産投資ではなく、自分自身の価値観と暮らし方、そして「地方都市との共生」を問い直す挑戦でもあります。

物件との出会い

私がその物件と出会ったのは、紹介からではあるが物件資料をみて、首里城から程近い金城町の石畳道があることを知りました。
観光客が行き交う表通りから一歩奥へ入ると、首里城の大アカギがあり、そこには時が止まったような、沖縄らしい静けさとスピリチュアルな空気が流れていました。
ひび割れた門柱、経年劣化した RC壁、錆びついた扉。
一般的に見ればいわゆる「古くてボロい家」ではありますが、その佇まいから感じる風格と、外からでは見えない内部のポテンシャル、大きな庭から見る眺望、私は一目惚れしてしまったのです。

なぜ首里だったのか

京都に暮らす私は、都市と歴史の共存に惹かれ続けてきました。
首里は、かつて琉球王国の王都があった場所であり、京都と同じく「都の記憶」を持つ街です。
石畳の路、木々の間から差し込む日差し、地域に根付いた年中行事や精神文化。
ここには、人と人のつながりを大切にする“ユイマール”の精神が、今も静かに息づいています。
物件は昭和40年初めの建築で、鉄筋コンクリート造の2階建。
雨漏りの跡もありましたが、構造体自体はしっかりしており、再生可能な範囲にあると判断しました。
むしろ、この「古さ」がこの土地の魅力に溶け込んでいるようにも感じました。
完璧な新築ではないからこそ、地域に違和感なくなじむ。
そんな「未完成の余白」が、私にとっては宝に思えたのです。

「首里の杜」という構想

いま構想しているのは、「首里の杜」というプロジェクトとして再生していきます。
沖縄は、文化と自然が息づく一方で、価値が十分に編集されていない不動産が残る場所。私たちは建物を再生し、沖縄の暮らしの思想を現代に接続することで、人生を再設計できる拠点へとしていきます。
外観は経年相応の味わいがありますが、構造体は良好で再生可能なコンディション。
大きな庭と眺望を活かし、1階・2階を独立利用できる間取りへ再編集することで、二世帯住宅・賃貸併用・セカンドハウス・SOHO拠点など多様な活用が見込めます。
1階は庭と一体化した“土間のある暮らし”を提案し、2階は屋上や眺望を活かした“空と風を感じる空間”とし再生していきます。

物語のある場所で

首里という場所には、物語があります。
それはただの観光地としてではなく、人々の暮らしや文化、歴史とともに紡がれてきた“時間”です。
その時間に敬意を払いながら、私はこの物件を通して、新しい「居場所」のあり方を探りたいのです。
単なる築古住宅ではなく、沖縄の暮らしの思想を現代に接続できる素材。地域と穏やかに共生しながら、体験価値を高める住まいづくり。
歴史ある首里で、“未完成の余白”を自分仕様に。

WRITER松本

石畳の杜プロジェクトマネージャー。
不動産・事業づくりを仕事にしています。
旅先では「古き良きもの」を探して歩くのが好き。
歴史や暮らしの痕跡に触れるとワクワクします。
沖縄が特に好きで、街並みや文化、人の空気感に惹かれています。